webCG × Volkswagen  タイアップ試乗記企画

第2回「フォルクスワーゲン・パサート」に乗るということ

「静かさ」がポイント

ラインナップも装備も新たに

「フォルクスワーゲン・パサート」の1.4リッターモデルは、スタート/ストップ機能を装備。JC08モードの燃費値は20.4km/リッターを記録する。

走りだしてすぐに感じることは、とにかく快適であるということだ。まず第一に、路面の凸凹を乗り越えた瞬間のショックが小さい。タイヤが受け止めた衝撃は、「サスペンション」→「ボディー本体」→「シート」という経路でドライバーに達する。そしてそれぞれの過程で、衝撃の角が丸められ、最終的には非常にまろやかになっている印象だ。実に快適。同価格帯のライバルたちと比べても、快適性は頭ひとつ抜き出ている印象だ。

実はこの乗り心地のよさ、パサートだけでなく、「ポロ」や「ゴルフ」などフォルクスワーゲンの他の最新モデルでも共通だ。フォルクスワーゲンは、乗り心地を快適にする“方程式”のようなものを会得したのではないかとにらんでいる。

  • 1.4リッター直4直噴ターボエンジン。1500rpmという低回転域から25.5kgmの最大トルクを発生する。

    1.4リッター直4直噴ターボエンジン。1500rpmという低回転域から25.5kgmの最大トルクを発生する。

  • メーターは、アナログ式の2眼タイプ。これまでモノクロだった中央のインフォメーションディスプレイは、カラー表示に改められた。

    メーターは、アナログ式の2眼タイプ。これまでモノクロだった中央のインフォメーションディスプレイは、カラー表示に改められた。

  • 「パサート」の1.4リッターモデルには、デュアルクラッチ式の7段ATが採用されている。

    「パサート」の1.4リッターモデルには、デュアルクラッチ式の7段ATが採用されている。

パサートが快適に感られるもうひとつの理由は、静かであることだ。車内で感じるノイズにはいくつかの音源がある。「エンジン音」「マフラーからの排気音」「ボディーが風を切る音」「タイヤと地面の擦過音」などであり、パサートはいずれの音量レベルも低い。おそらく、車体の遮音対策がしっかりなされているのだろう。中でも顕著に静かに感じられるのが、エンジン音。特にエンジン回転数が一定になる巡航時には、エンジンの存在を忘れるほどに静かだ。遮音対策とともに、エンジンが発する音そのものが低いとみた。

巡航時にエンジンの存在を忘れそうになると書いたけれど、それはエンジンの回転フィーリングがスムーズだということでもある。アクセルペダルを踏み込むと、滑らかに回転が上がっていく感覚が心地よい。加速力は十分で、このエンジンの排気量が1.4リッターしかないと知れば、多くの人が驚くはずだ。これは、排気量を低く抑えて効率化を図る一方で、ターボチャージャーで力を補うダウンサイジングというコンセプトにのっとっている。エンジン技術の新しいトレンドで、これだけの動力性能を発揮しながら、JC08モード燃費は20.8km/リッターを記録している。ボディーサイズを考えれば、この値は立派だ。

“いいモノ”感があふれている

“いいモノ”感があふれている

「TSIハイライン」には、「TSIエレガンスライン」よりも上質な装備が与えられている。

デザイン的には華美ではないけれど丁寧に作り込まれた上質さがある。だからデザインやファッションにこだわる方も、長く愛用できるはずだ。性能的には過剰ではないけれど、運転好き、クルマ好きが乗っても十分に満足できるパフォーマンスを発揮する。

総じて、単なる実用品を超えた“いいモノ”感があり、クルマを道具ではなく暮らしの友だと考える人に薦められる。参考までに言い添えれば、パサートは2015年の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞車。その実力は折り紙付きだ。

もし購入するとなった場合に悩ましいのが、グレード選びだ。1.4リッターエンジンを積む3つのグレードのスペックを並べると、安全性能、環境性能では違いはない。例えば衝突の危険を察知すると「注意喚起」→「自動ブレーキ」の順で作動するプリクラッシュブレーキシステムや、先行車との適正な間隔を保って追従する渋滞時追従支援システムといった安全・運転支援装置は全車標準装備となる。このあたりの、クルマの基本性能には差は付けないというフォルクスワーゲンの考え方は筋が通っていて、好感が持てる。

  • ウッドパネルやナパレザーのシートが与えられる、「TSIハイライン」のインテリア。運転席と助手席には、シートヒーターとシートベンチレーションも備わる。

    ウッドパネルやナパレザーのシートが与えられる、「TSIハイライン」のインテリア。運転席と助手席には、シートヒーターとシートベンチレーションも備わる。

  • 「TSIハイライン」の10スポーク18インチアルミホイール。テスト車には、235/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」が組み合わされていた。

    「TSIハイライン」の10スポーク18インチアルミホイール。テスト車には、235/45R18サイズの「コンチネンタル・コンチスポーツコンタクト5」が組み合わされていた。

  • リアビュー。「TSIエレガンスライン」(写真)と「TSIハイライン」にはダークテールランプが装着される。

    リアビュー。「TSIエレガンスライン」(写真)と「TSIハイライン」にはダークテールランプが装着される。

装備が充実し、内外装ともにプレミアム感が増したエレガンスラインに心が動くけれど、ハイラインの18インチホイールやベンチレーション機能が備わるレザーシートにも引かれる。TSIハイラインには、アラウンドビューカメラやデジタルメータークラスター、駐車支援システム、ダイナミックライトアシスト、電子制御式ディファレンシャルロックのXDSをセットにした「テクノロジーパッケージ」がオプション設定されているので、車庫入れが苦手な妻も運転することを考えるとこっちもアリか……。

カタログを眺め、予算と付き合わせ、もう一度カタログの装備表を見直す。悩みは尽きないけれど、クルマを選ぶにあたってはこういう時間が一番楽しいのかもしれない。

(文=サトータケシ/写真=田村 弥)

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