webCG × Volkswagen  タイアップ試乗記企画

第2回「フォルクスワーゲン・パサート」に乗るということ

“暮らしの友”を求める人に

「フォルクスワーゲン・パサート」と過ごすカーライフとは、どのようなものなのか。新たにラインナップされた「TSIエレガンスライン」と、装備の充実が図られた「TSIハイライン」に試乗して考えた。

暮らしの友”を求める人に

ラインナップも装備も新たに

職業柄、「大人の男性にふさわしいクルマをあげてください」という依頼を受けることがある。けれども、これはなかなか難しい質問だ。なぜなら、ひとことで大人の男性といってもいろいろなタイプの方がいるからだ。

ラインナップも装備も新たに

流麗なシルエットを描く「フォルクスワーゲン・パサート」のサイドビュー。新グレード「TSIエレガンスライン」のリアウィンドウにはダークティンテッドガラスが採用されており、見た目のよさだけでなく、プライバシーや強い日差しにも配慮されている。

派手なモノを身に着けて目立ちたい人(予算が許せばいろいろな選択肢アリ)、昔ながらの大家族の家父長タイプ(3列シートの大型ミニバンか)、真っ黒に日焼けしたアクティブな行動派(SUVは百花繚乱<りょうらん>)、などなど、趣味や嗜好(しこう)によって似合うクルマは異なる。では、車種ラインナップや装備を新たにした「フォルクスワーゲン・パサート」は、どんな男性に向いているだろうか。そんなことを考えながら試乗に赴いた。

車種ラインナップの刷新について簡単に説明すれば、従来の1.4リッターエンジン搭載仕様は、ベーシックな「TSIトレンドライン」、売れ筋の「TSIコンフォートライン」、豪華装備の「TSIハイライン」の3本立てだった。新しいラインナップも3本立てであることは変わらないものの、コンフォートラインは装備をより充実させ、名称も「TSIエレガンスライン」と改められた。

1.4リッターエンジンが7段DSGと組み合わされることと、2リッターエンジンと6段DSGを組み合わせた高性能仕様「R-Line」が存在すること、セダンと「ヴァリアント」(ステーションワゴン)という2種類のボディータイプが用意されることは従来と変わらない。ここでは、新たに設定されたエレガンスラインを中心にリポートしたい。

  • 「TSIエレガンスライン」のインテリア。ピアノブラックのセンターコンソールパネルやアルミニウムデコラティブパネルでドレスアップされている。

    「TSIエレガンスライン」のインテリア。ピアノブラックのセンターコンソールパネルやアルミニウムデコラティブパネルでドレスアップされている。

  • 新グレード「TSIエレガンスライン」には、本革巻きのステアリングホイールやシフトノブが装着される。

    新グレード「TSIエレガンスライン」には、本革巻きのステアリングホイールやシフトノブが装着される。

上質なスーツを思わせる

上質なスーツを思わせる

「パサートTSIエレガンスライン」。今回試乗したセダンのほかに、ワゴンの「ヴァリアント」もラインナップされる。

セダンにしろヴァリアントにしろ、フォルクスワーゲン・パサートのデザインはクリーンでシンプルだ。ごちゃごちゃと飾らない機能的な造形は、モダニズム建築の大家、ルイス・サリヴァンの「形態は機能に従う」という名言を思い出させる。

  • シャープなキャラクターラインとクロームのモールディングが目を引くドアパネル。写真は「TSIエレガンスライン」のもの。

    シャープなキャラクターラインとクロームのモールディングが目を引くドアパネル。写真は「TSIエレガンスライン」のもの。

  • 「TSIエレガンスライン」のフロントまわり。標準装備のLEDヘッドランプが精悍(せいかん)な印象を与える。

    「TSIエレガンスライン」のフロントまわり。標準装備のLEDヘッドランプが精悍(せいかん)な印象を与える。

  • レザーとアルカンターラで仕立てられた「TSIエレガンスライン」のシート。前席(写真)にはシートヒーターも備わる。

    レザーとアルカンターラで仕立てられた「TSIエレガンスライン」のシート。前席(写真)にはシートヒーターも備わる。

シンプルであるけれど寂しい感じがしない理由は、デザインの細部にまで配慮が行き届いているからだ。わかりやすいのが、ボディーのサイドを走るプレスライン。後方に向けて駆け上がるこのライン上にドアのハンドルを配置することで、シャープさと躍動感を与えている。

自動車のデザインというと、ついデコラティブに飾り立てることを思い浮かべてしまう。けれどもパサート(というかフォルクスワーゲン)の場合は、無駄をそぎ落とす引き算の美学。華美に装うことを好まれる方には向かないけれど、長く使い続けても飽きないデザインであることは間違いない。

フォルクスワーゲン・パサートのデザインを眺めていると、これは男性のスーツに似ているのではないかと思えてくる。どちらも、奇をてらわないオーセンティックなスタイルを基本としている。ただし、細部の意匠に時流を反映させることで、現代的なデザインに仕立てている。例えばスーツなら、ラペル(襟)の幅を広げたり狭めたりすることでトレンドにフィットさせる。パサートのエレガンスラインの場合は、LEDヘッドライトを標準装備とすることで、きりっとしたイマ風の表情になっている。ひとつ感心したのはパサートの塗装の良さで、どの色も発色が美しい。さしずめ、上質な素材を用いたスーツといったところだ。

シンプルではあるけれど細部に至るまでデザインにこだわっているのは、インテリアも同じだ。いかにも清潔で機能的、無駄な装飾がない。それでいて美しく見える理由は、デザイン性の高さとともに、パーツに使われる樹脂類の質感によるところが大きい。例えば、センターコンソールパネルに新たに用いられるようになったピアノブラックの樹脂は、つやに深みがある。

質感といえば、従来のコンフォートラインのシートがファブリックだったのに対して、エレガンスラインのシートはアルカンターラとレザーを組み合わせたものになり、室内の雰囲気がぐっと上質になった。シートヒーターが備わるようになったのもうれしい変更点だ。

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